会社が経営危機になった時のための不動産。

私の兄は現在、会社の社長をしている。その会社はもともと祖父がうちあげた電機会社であり、祖父の次は父が、そしてその次は兄が代々社長を受け継いでいるのだ。私も一時はそこに就職していたが、あまりにも身内が多く、頼り切ってしまい、一人になったときに仕事ができない人間になるのが嫌で、3年たらずで会社を飛び出してしまった。就職活動もロクにせず、ストレートで父の会社に入り、身勝手な理由で退社。そのしわよせが見事に今来ているわけだ。しかし現在兄が社長をつとめているその電機会社も、不景気のあおりを受け、現在なかなかの経営難となっているようだ。
私は聞いた覚えがないのだが、兄は幼い頃より、父から何度も聞かされていた事がある。今住んでいる家、つまり実家なわけだが、この家はもし会社が経営難になったとき、その資産運用のため、売ることになっている。それまで我々が守り続けていかなければならない。万が一の時の切り札として使用する不動産、それがこの実家なんだよ、と。兄はその言葉を受け止め、大学を卒業してもすぐ父の会社には就職せず、他の会社で3年間の武者修行をした。そしてようやく父の会社に入り、それから数年後、社長となったのだ。社長の息子として、そして長男として、らしい行動を真面目にこなしてきたのだ。わがままな次男坊の私とはえらい違いだ。
先ほども述べたように、その会社が今、経営難に陥っている。ひょっとしたら近いうちに実家は売られてしまうかもしれない。そして今私は、実家に一人暮らしをしている。家賃もなく、光熱費も会社もちというなんとも楽な生活をしているのだが、その家と土地が急に売られてしまいかねない現状なのだ。つまり住む場所を追いやられてしまう可能性が高くなってきている。早いところお金をためて、アパートのひとつでも探さねばならないと、毎日危機感にさいなまれている私であった。しかもさらに危険なのが、父は兄に懇々と教えた教訓をすっかり忘れ、私利私欲に走っている。自分が再婚した妻と住むために購入したマンションのローンにあてるため、実家を売ろうとしているのだ。私の身勝手さは、どうやら父親ゆずりのようだ・・・
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